榮山寺は古来前山寺(さきやまでら)と呼ばれ

藤原南家武智麻呂が養老3年(719年)に開創しその後武智麻呂を祖に藤原南家の菩提寺として鎌倉時代になるまで大いに栄えました。

 

南北朝時代には南朝の後村上(ごむらかみ)・長慶(ちょうけい)・後亀山(ごかめやま)天皇の行宮所(あんぐうしょ)となっていました。

 

現在の榮山寺では奈良時代から今に残る八角円堂や室町時代の仏像など眼前にすることが出来るのは誠に幸いなことであります。


・音無川(おとなし)

 昔、弘法大師というお坊さんが五條の榮山寺で修行をしていました。

お寺のすぐ下を流れる吉野川の川音が昼も夜もやかましく、音が気になり修行に集中できずにいました。

そこでお大師さんは、「ひとつ御仏にお願いしよう」と言い激しく流れる吉野川に向かって

お経を唱え、筆を投げ、「音を立てないでください」と祈られました。

すると今までやかましかった川音が、ピタリと止みました。

そして、その川は「音無川」と呼ばれるようになりました。

 

 ※石を投げたという説もあります。